さて、今日は
昨年11月に開催されたコペンハーゲン展を訪れた
降矢奈々さんによるレポートその3、最終回です。
ドキドキのワークショップの様子は、
どうだったのでしょうか。。。
昨年11月に開催されたコペンハーゲン展を訪れた
降矢奈々さんによるレポートその3、最終回です。
ドキドキのワークショップの様子は、
どうだったのでしょうか。。。
降矢奈々のコペンハーゲン展・レポート その3
みなさんは、このコペンハーゲン・レポートを読んで、私がデンマーク語、
もしくは、英語、独語がぺらぺらと思われているでしょう。
しかし、それは大きな誤解です。
勤勉とは言いがたい私は、母国語以外の言語能力は
きわめて低いと言わざるを得ません。
しかも、小さい頃からなじみの母国語でさえ、いちおう喋れますが、
それでも度々「言ってることよくわかんないんだけど」と言われます。
スロヴァキア生活20年のスロヴァキア語も、とても下手。
私のいちばんの悩みは、英語を喋ろうとすると、
スロヴァキア語が出てきてしまうことです。
以前、アメリカ人と向き合っていて、数字・・・数字ですね、
ワン、ツー、スリー、・・・という。それがなぜか口から出ると、
スロヴァキア語の単語になってしまう。焦れば焦れほど、
まったく変換不能になってパニクッたことがあります。
長々とすみません。で、ワークショップです。
そういう訳なので、最初はこういうイベントをすべて断ろうと試みて
いたのですが、やはりお世話になっている手前、断りきれなかった。
せめて1つくらい、ということで、滞在中に1回、
子ども向けのワークショップをすることにしました。
ことばの問題に加え、会場の様子や参加者の年齢、
人数などの事前情報がまったく手に入らなかったことから、
複雑なことをするのは無理と判断し、
行く前に、このような企画書を作り、
マークさんにメールしました。
そして、家で布にこのような木を描き、
準備万端でコペンハーゲンへ向かったつもり・・・。
当日の開始時間は、午後1時から。
約2時間のワークショップと決まっていたものの、
どうやら子どもたちは三々五々に来るらしいと
わかったのは、もう1時を過ぎてからでした。
イラストレーターズ・クラブのメンバーが
手伝ってくれると言ってますが、彼らには
彼らのやりたいプログラムもあるようです。
子ども連れの家族が、机の上に置いてある画材を適当に取って、
空いてる場所に座って、好きなことをしています。
すべてがアバウトのようです。
準備万端、大勢の子どもたちを前に何をどうするか、
脳内シュミレーションをくりかえしてきた私には、
まったく予想外の展開でした。
悲観的になってもこの先まだ2時間弱の時間は
ありますから、どうしたら良いものか・・・。
こちらもアバウトでいこうと、
ぼんやりしている親子のところへ行って
「ハロー」とにこやかに誘い込むことにしました。
「こんにちは。私は日本から来ました
(ほんとうはスロヴァキア在住だけど)。
ところで、去年、日本でおこった大震災と原発事故のことは、
知ってますよね?」から始める。
するとやさしいデンマーク人は、
すぐに真剣な表情になり答えてくれます。
「ええ、知っているワ。おそろしい出来事でした。」
ほとんどの大人は英語ができるようで、
私の言葉をすぐに子どもたちにデンマーク語で伝えてくれます。
「デンマークのみなさんの手型を葉っぱにして、
大きな希望の木を作りたいのです。
私はそれを日本へ持って帰ります。
だから、良かったらあなたの手で葉っぱを作って、
あの木に貼ってくれますか?」
「もちろんよ」
「手の葉っぱには、あなたの名前、
もしくはあなたの好きな言葉を書いてね。
もちろん絵でも良いのです。
日本の人たちに伝えたいことを書いてくださいね。」
「わかったわ。どの紙を使ったら良いのかしら?」
「4色あるから、好きな色を選んでください。」
(こんなふうに脚色するから、語学の達人と誤解されるのだろうな・・)
誰かが作っていると、「私もやりたい」と
誰かが声をかけてくれます。
さっき葉っぱを作った女の子が、木の枝に貼って
ある自分の葉っぱをもう一度見に来ました。
イラストレーターズ・クラブやBIBIANAデンマーク
の人たちも参加してくれましたよ。
裸ん坊だった木がこんなふうになりました!
いっしょに記念撮影は、イラストレーターの
Jesper Tom-Petersenさん(左)と Lars Munckさん(右)です。
みなさん、いっしょに作ってくれてありがとう。
この木は、ちゃんと日本へ送りますからね。
ということで、コペンハーゲン・レポートはこれにておしまい、
とっぴんぱらりのぷぅ。
さよならコペンハーゲン。
みなさん、3月1日から始まる日本巡回展を
どうぞ楽しみにしていてくださいね。
降矢奈々
「さよならコペンハーゲン。」
これで、3回にわたってお届けしたコペンレポートは終わります。
ご協力いただいたJesper Tom-Petersenさん、Lars Munckさん、
マークさん、そしてデンマークのみなさん、
日本へのあたたかい気持ちを、ほんとうに、どうもありがとう!
たくさんの人に、どうか届きますように。
たくさんの人に、どうか届きますように。
(さかた)